恋愛工学生ヒロのネトナンブログ

恋愛工学生。withを中心にネトナン活動を行なっております。シリーズ小説:もし非モテの大学生が藤沢数希の「ぼく愛」を読んだら

もし非モテの大学生が藤沢数希の「ぼく愛」を読んだら #3:邂逅

※この小説はフィクションです。実在の人物や団体などは関係ありません。

 

「こんなはずじゃなかった…」

 

大学デビューを志した隆史だったが、結局2年生になっても彼女ができないままでいた。

 

周りの友人たちはカップルでの仲睦まじい様子をインスタグラムにアップしている。意味不明な#(ハッシュタグ)と共に。

 

その写真が取られた時間の前後どちらかに、若々しい二人のセックスが必ずされているであろう様子を見ると、何とも言葉にならない感情になる。

 

そうして隆史はスマホのブックマークにある「wikipedia」という名のフォルダに入ったサイトを開きティッシュを2、3枚手に取る。

 

 

気付いたら20歳になっていた。まだ童貞だ。

 

甲子園を目指していた頃の自分は本当に輝いていたが、今となっては普通の学生だ。おしゃれでモテるという「赤学」っぽさも全く発揮できていない。

 

「俺は何のために赤学に…」

 

野球、甲子園という一つの目標を失った隆史にとって、大学デビューをしてモテることが次の目標だったが、全く女の子から告白されることもなければ、そもそも友好関係さえも広がっていない。

 

サークルは硬式野球サークルに所属したが、各学年に女子マネージャーが1、2名いるだけで、可愛い子はその学年のイケメンと付き合っている。

 

サークルであっても大学まで野球を続けようと思っているやつはやはり実力がある奴が多い。

 

甲子園経験者だって普通にいるサークル内で、特別自分がちやほやされる理由はなかった。

 

 

「出会いがあるかもしれない」と思って始めた居酒屋のバイトだが、酔っ払った女の子からLINEのIDが書かれたメモを渡されたことなんて一度もない。

 

ましてや初めて1年も経たない若造が女性客に話しかけていたら店長に怒られる。

 

そもそも女性に流暢に話しかける経験も勇気もない。

 

 

意味不明にTwitterの検索バーに「モテたい」と打って見た。

 

明らかに胡散臭いアカウントがおそらく金で買ったであろうフォロワーを従えて名を連ねる。

 

そんな中、あるアカウントを見つけた。

 

アカウント名は「ヒロ@恋愛工学生」と書いてあり、フォロワー数は532。

 

こんなつぶやきをしていた。

 

「モテたいなら、環境を変える。付き合う人を変える。時間の使い方を変える。」

 

その日不発だった合コンの酔いがまだ残っていた。

 

思わずそのツイートに「いいね」し、フォローして見ることに。

 

すると、数分待たずともフォローバックが来た。

 

 

「フォローありがとうございます。withを軸にネトナン中心に活動しております、ヒロと言います。」

 

 

つづく

 

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

◆著者ヒロ
Twitterアカウント(@tatakauyatsu)
・note

note.munote.mu

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
◆藤沢数希所長の著書「ぼく愛」シリーズ 

ぼくは愛を証明しようと思う。

ぼくは愛を証明しようと思う。

 

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥